知っているようで知らない「ミネラル」のお話
最近、漢方薬とオイスターを合わせて飲んでもらうケースが増えていて、漢方薬の効き目が良くなったり、オイスターだけ続けたいと言われる方が多くなってきました。オイスターが効く理由を調べているとミネラルのおもしろさに気づいてきました。
ビタミンやミネラルは必要な量はとても少ないのですが、これらがないと体の筋肉や骨も作れない、神経が伝達できない、酵素が働かないので体が正常に働かないなど、とても微量なのにとてつもなく大切な栄養素です。体の不調や病気の多くは、このミネラル不足がつくりだしているといっても過言ではありません。ミネラルとは元素の一員でカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムや鉄、亜鉛、銅、セレン、ヨウ素、クロムなどの事です。これらは全て合わせても体の3%の量しかなく、微量ミネラル(亜鉛、セレンなど)にいたってはずっと少ない量ですが、ミネラルがないと体が動いてくれません。
コンビニやスーパーなどのお弁当やお惣菜でミネラルの抜けきった加工食品を食べるようになったこと、精製された米や麦や砂糖などを摂るようになって一番ミネラルが存在している皮の部分を捨てていること、添加物がミネラルの吸収を妨げていることなどから、多くの日本人はミネラル不足になっています。改善策としては、加工度の低い食べ物を自分で調理して食べること、精製されてない穀物を摂ること、豆や種子、海藻、乾物などのミネラルを多く含むものを食事に取り入れることです。たくさん取ったからといって全部吸収できるわけではないのでバランスよく摂ることが重要です。また単体のサプリメントを飲んでも効果は低く、その他のミネラルと複合的に摂ることで吸収率が上がります。
もう一つの改善策はミネラルの吸収率を上げるために胃酸が重要です。ミネラルは十分に摂取しているのに不調になる人がいます。こういう人は胃酸が分泌されてないか、胃酸を抑えるH2ブロッカーやプロトンポンプインヒビターと呼ばれる胃薬を常用して胃酸を抑えている人です。胃炎や胃潰瘍がある時は必要ですが日常的に飲むのは控えましょう。ミネラルの吸収を妨げてますます体調不良を引き起こします。
漢方薬も様々な植物の根や茎、葉から出来ていてミネラルを豊富に含んでいるといえます。植物以外には鉱石や動物生薬もあり鹿の角にはリンが牡蠣の殻にはカルシウムが葉物にはマグネシウムが含まれていたりと漢方薬も薬用成分とともにたくさんのミネラルを自然のバランスで含んでいます。ミネラルを少しだけ意識して、普段の食事を見直してみてはいかがでしょうか。