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疲れやすい「気虚」体質について。

カテゴリ:漢方薬

こんにちは、漢方なつめの福山です。

 

 

今日は漢方の「気虚」体質について書いていこうかと思います。

 

 

体の不調にはいろいろなタイプがあります。もともと産まれ持った体質もありますし、日々の生活習慣や置かれている環境によって体内に偏りが出てきます。よくテレビなどでさまざまな健康法を取り上げられていますが、効果があるかないかは人それぞれによて違います。例えばよく水を何リットルも飲んだ方が良いとありますが、身体が水分不足であったり水の代謝が良い人はそれで良いのですが、もともと水が停滞している「痰湿」という体質の方は、よけいに体に水分を貯めこむようになりますので向きません。舌がぼてっとふくらんでいたり、下痢をしがちだったり、梅雨の季節に身体が重だるくなる。。という方です。水を過剰に取り入れると体が水風船のようになり、身体が重くなり、余計に疲労感が増すようになります。今のは例え話ですが、どういう事に気を付けて生活をしたら良いかを考える際に、自分の体質を知っておく、という事はとても大切です。

 

 

日本人に多いのが「気虚(ききょ)」体質です。普段相談をしていて気虚体質の方はとても多いと感じます。

 

 

□ 疲れやすい・しんどい・無気力

□ 手足が重だるい

□ 声をだすのがおっくう

□ じっとしているのが好き

□ 風邪をひきやすい

□ 胃腸に自信がない

□ 舌に歯形がつく

 

 

気虚はこのような症状を訴えます。友達と一緒に遊びに行っても一人だけ体力がついていかない、すぐ疲れる、他人よりも疲労回復に時間がかかります。土日も仕事がない時は出来るだけゆっくりしていたいなあというタイプです。「気虚」は身体に必要なエネルギーが不足している状態です。胃腸が弱く、食べ物から栄養を吸収しにくいタイプとも言えます。

 

 

また、この気虚の体質はやっかいなことに放っておくと「血虚」や「陽虚」、「痰湿」、「於血」を生んでしまいます。食べたものを消化吸収する力が不足するため「血不足」となり、気は身体を温める仕事をしているので、慢性的な冷え「陽虚」へと進行します。さらに気は血行を促す仕事もしていますので、血行不良である「於血」にもなりやすくなります。気が不足すると胃腸の動きが悪くなり、処理しきれない水が体内に貯まる様になります。「痰湿」ですね。

 

 

このタイプには「補気」することが必要です。代表生薬は「人参」「党参(とうじん)」「黄耆(おうぎ)」などです。漢方薬でいうと、四君子湯、六君子湯、健胃顆粒、補中益気湯、十全大補湯あたりですがほかにもいろいろあります。これらは「気」を補い、胃腸を動かしてくれる効果もありますので飲むと不思議と食欲が沸いてきます。「血虚」や「陽虚」「於血」「痰湿」がある場合はそれらに対する漢方を併用すると良いでしょう。

 

 

普段の養生は、胃腸をいたわり、胃腸に負担となる食事を控える事。脂っこい物や、冷たいものを控えましょう。消化が良く暖かいものを摂りましょう。脂物を控えようと思うとたんぱく質が不足しがちになりますので、その点は気を付けて上手に取り入れて見て下さい。脂身の少ない鳥の温かいスープなどが良いですね。また、夜寝る前に食事をしない事。早めに夜ご飯を食べて、胃の内容物が減った状態で寝るようにしてください。睡眠の質も変わるはずです。睡眠不足は気虚には大敵ですので早めにご飯、早めに布団に入るを心がけて下さい。また過激な運動は控えた方が良いでしょう。エネルギーのストックが少ない体質です。無理をしない方が良いですね。

 

 

気虚に心当たりがある方は多いかと思います。「無理をしない」「食事」「睡眠」がキーワードになりますので普段の生活に取り入れて見てくださいね。