「夏」の下痢の漢方
こんにちは、漢方なつめの福山です。
毎日暑い日が続いています。
この、暑い時期に多いご相談に「下痢」があります。
中医学用語で「泄瀉(せっしゃ)」といいます。
下痢にもいろいろな原因がありますが、この時期に
一番多いのが冷たいものの食べすぎや飲みすぎが原因で
起こる下痢です。症状としては下痢のほかに、嘔吐や
食欲不振を伴う場合もあり、胃腸風邪の症状に似ています。
このような場合は「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」という
漢方薬を用います。お腹の乾燥剤のような漢方薬です。
他に多いのが、もともと脾気虚(胃腸が弱い、気力が続かない)
の体質で、下痢が続く場合です。何かを食べて下痢する・・と
いうのではなく、下痢が長引いて慢性化している状態です。
もともとの胃腸虚弱が続き、胃腸に水分が停滞しているために、
下痢が起こります。このような場合は胃腸の動きを改善し、
湿気を取ってくれる「参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)」
などを使います。
さらにお腹の冷えがある、早朝にお腹が下る、水のようなお通じ
がある場合は、人参湯(にんじんとう)などがよく効きます。
もともと冷えやすい・早朝、というのがポイントです。
私が漢方を習っている時、今のような暑い時期でしたが、毎朝
ひどい下痢が続き体力も落ちてしまい、しんどい時期がありました。
その時に習っていた先生に症状を相談した際に、この人参湯が
良いと言われました。食生活も悪かったので勝湿顆粒と併せて飲んで
みたところ、2~3日で症状がぴたっと治まり、漢方の効き目に
驚いた経験があります。それ以降、この漢方薬は私にとって忘れられ
ない処方になりました。
他にも下痢のお薬沢山あります。ストレス性下痢なども多いですが
今回はお腹の湿気による下痢について書いてみました。
この暑い時期にお腹が下るというのはしんどいものです。
養生してお過ごしくださいね。