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胃食道逆流症の原因と対応薬

カテゴリ:胃腸

普段、若い方でも「胃から上がってくる感じがするんです」というご相談を受ける事があります。病院で「胃食道逆流症」と診断されている方も、自覚症状できっとそうだろうと推測されている方もいらっしゃいます。

 

 

症状でいうと、胃液が上がってくる、胸やけがある(酸っぱいような、特に食後)、げっぷがある、もたれるといった症状です。中には胸の痛み、のどの痛み、声がれを訴える方もいらっしゃいます。

 

 

この「胃食道逆流症」は、胃と食道のつなぎ目の括約筋が緩んだりする事などが原因で、胃酸が食道まで逆流してしまいます。胃の粘膜はもともと胃酸から守る粘膜があるのですが、食道部分は胃酸から守る粘膜がないので、粘膜にびらんが起きたり、食道過敏になるなどで自覚症状が出やすくなります。もともと日本人には少なかったのですが、近年増加傾向にあると言われていますね。

 

 

この「胃食道逆流症」原因はさまざまです。

 

 

①胃の入り口の筋肉が緩む(加齢や、ペットボトルのラッパ飲み等)

 

②夕食が遅く、食べてすぐ寝てしまう(逆流した胃酸が胃に戻らず、食道に留まってしまう)

 

③早食い・食べ過ぎ(胃がふくらんでしまい括約筋が開きやすくなる)

 

④ストレスにより胃酸が増えてしまう

 

⑤前かがみの姿勢や太りすぎなど、腹部を圧迫しすぎる

 

 

 

原因の中には普段の生活で改善できる内容も多くありますね。漢方でも対応できる処方がたくさんありますが、当店で出番が多いものをいくつかご紹介致します。

 

 

まずは「健胃顆粒」です。病院で胃食道逆流症に処方される処方で「六君子湯」があります。六君子湯は、胃を動かし内容物を十二指腸へ送ってあげるのを助け、胃に食物が停滞しないようにする働きがあります。この六君子湯に理気作用、痰湿をとる作用がプラスされたのが健胃顆粒になります。この健胃顆粒は、「食べたくない」「消化不良」「胃もたれ」がある方でどちらかというと苔が白っぽい方に向いています。不思議と健胃顆粒を飲むと食欲が沸いてきます。

 

 

 

あとはこの温胆湯です。簡単に言うと胃の湿気を取る「二陳湯」をベースに、不安症や不眠に効果のある生薬などがプラスされています。袋に「獏ばく」の絵がデザインされています。獏は“夢を食べる”という言い伝えがあり、悪い夢を避けるように枕の下に獏の絵を置く習慣があると知られていますね。この温胆湯は、胃で発生した痰湿が長く体内に停滞することで発生する心身の不調に効果があります。胃の不調プラス寝つけない、変な夢を見るですとか、精神的な訴えがある時に使います。こちらも苔が厚い方向けですね。

 

脂っこい食事をすると、胃酸が多量に分泌されるので消化剤を併用したりもします。胆が配合されている「熊参丸」をよく使いますが、晶三仙も良いと思います。

 

あくまで普段の脾胃を傷めない養生がベースとなります。思い当たる原因を改善し、適切な対応薬を選び早期治療を目指してくださいね。