こんにちは、漢方なつめの福山です。

ここ2〜3日で急に寒くなり、体調を崩される方も多いかと思います。なんだか寒気がする、風邪っぽい、、という時によく使う「麻黄附子細辛湯（まおうぶしさいしんとう）」をご紹介します。

これは私の大好きな処方です。風邪薬に分類され、さまざまな風邪の漢方薬の中で「陽虚感冒」と言って、普段冷えた人が風邪っぽい症状、ゾクっとした寒けを感じたり、頭痛がしたり、透明な鼻水が出たりする場合に使います。

ゾクゾクとした時は発汗させて風邪を追い出す方法を取りますが、もともと「陽虚」と言って体が冷えている場合は、風邪を追い出す「陽気」の力も弱く発汗しにくいので、体を温める「附子」や「細辛」という生薬の力を借りて、「麻黄」で発汗させるような処方構成となっています。

なので、よく効果が出やすいのは「陽虚」という体質の方ですね。普段から冷えている、だるい、気力がない、舌は白くて大きいといったような体質の方で、どちらかというと高齢の方に多いかと思います。ゾクゾク寒気がする、、というと葛根湯がファーストチョイスですが、普段から冷える方は葛根湯の代わりに麻黄附子細辛湯を試してみても良いでしょう。

私も少し前までは葛根湯がよく効いていたのですが、ここ最近は麻黄附子細心湯の方が汗が出やすく飲んだ時の効果が感じられます。歳を重ねたということでしょうか笑。風邪をひいて、ゾクゾクとした感じ、頭が冷たいキーンとした痛み、水のような鼻水が出る時に服用すると、頭の氷が溶けるように頭痛が楽になり、じんわりと汗をかき、鼻水が止まります。この飲んだ時の気持ちの良さがなんとも言えず、助けられることが多くあります。お客様にも「風邪の時の頭痛の時によく効く」「鼻水がすぐ止まる」と喜んで頂いています。

ただ、服用する際の注意点がいくつかあります。服用するときは、発汗を助けるために温かいお湯で服用するのがベストです。厚着をするのも良いでしょう。続けて飲んでも良いですが、「麻黄」が入っているので動悸や胃の不快感を感じた時はこれ以上の服用をやめた方が良いです。これは葛根湯の注意点と同じですね。それと「附子（トリカブト）」が含まれていますので妊婦さんは服用をやめておいた方が良いでしょう。

自分に効く漢方薬を見つけると嬉しくなりますが、効くかどうかは人それぞれですね。この麻黄附子細辛湯ですが、主人は全く効かないようです笑。主人は風邪薬というと銀翹解毒散がよく効くようです。私は銀翹解毒散はあまり効果を感じないので同じ風邪でも効く漢方が違うのだなあと思います。体質だけでなく症状でも違いますね。昨日はゾクゾクしていたけれど今は熱っぽいなどと症状の移り変わりがあるのも風邪の特徴です。その症状に合わせて実際に試してみるのが1番かと思います＾＾

今回は大好きな麻黄附子細辛湯の愛を熱く語ってしまいました笑。これからやってくる風邪シーズンに向けて十分な対策をして準備して頂けたらと思っております。