こんにちは、漢方なつめの福山です。

先日、昼間に数時間炎天下の中を歩き回って、猛暑だったのもあってひどい汗をかきました。日焼けしないようにと長袖を着て熱がこもったのも良くなかったと思います。帰る頃に汗が噴き出るように出て、やっとのこと家に帰ってからすぐに麦味参顆粒を飲みました。なんとか汗は落ち着いたのですが、しばらく経つとズキズキとした頭痛がおこるようになりました。たまに疲れた時に頭痛を感じるのですが、いつもの鈍痛というより、ズキズキした強い痛みなんですよね。これは熱中症の頭痛かも知れないと思い、そうだ五苓散を飲もうと思い探したのですが、家に五苓散が残り1包しかなく、ちょうど子供も主人も外出していたので、暑い中帰ってきて必要だったらいけないと心配して飲まずにおきました。

それが良くなかったのも知れません。そのうち胃がムカムカして頭痛もひどくなり、しばらくするとひどい下痢になりました。喉が乾くのですが、水を飲むと胃が膨れるような感じで気分が悪くなります。たくさん水を飲むのに尿は出ない感じもあります。これはまさに五苓散の症ですね。

五苓散は「口渇」「胃内停水」「尿不利」といった時に使う薬です。浮腫などに使われるので、体の水分を出すというイメージがあるかと思います。その為、汗をかいて脱水気味の時に飲んで良いの？と思われるかも知れません。

実は、五苓散は水が消化管にたくさんあるのに、血中に吸収されないといった状態に使う漢方です。例えば、暑い日やお酒を飲んだ時、胃の中にジャブキャブと水分があるのに口や喉が乾いて、水を飲んでもお腹が張るだけで口が乾くのが解消しないといった場合ですね。ある場所では水が溜まっているのに、ある場所では水が不足しているといった、水の「偏在」を調節してくれるのがこの五苓散です。

そのため、夏の熱中症予防ではよく使われる漢方です。夏になると昔の薬局の軒先で五苓散の煎じを煮出して、来店されるお客様にふるまっていたという話を聞きます。これは暑さで水分を摂ってもうまく吸収されないのを防ぐためで、熱中症の予防としても用いられていたのだと思います。

とにかく、昨日は散々な思いをしましたので、また同じ事が起こらないように対策しなければいけません。暑い時間帯を避けて移動する、日傘をさす、熱がこもる服装を避ける、普段の体力作りも必要ですね。心配な時は、麦味参顆粒と五苓散をあらかじめ飲んでから外出しようと思います＾＾