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気持ちが落ち着かず、夜よく目が覚めるんですというご相談

カテゴリ:日々のつぶやき

こんにちは、漢方なつめの福山です。

 

季節の変わり目のせいか、この時期多いのが不眠のご相談です。夜中、何度も目が覚めてしまったり、睡眠が浅いような気がするとおっしゃいます。なんだか精神的にも落ち着かないんです、考えすぎかも知れませんが心が休まらないような気がして、、、というご相談です。

 

不眠や不安感は、漢方では五臓六腑の中の「心」の不調と考えられています。漢方でいうと心とは全身に血液を送り出す心臓の機能だけでなく、精神や感情をコントロールする機能も含めて心としています。この心が興奮して気持ちを落ち着かないような状態には、肝血や心血を補う酸棗仁(さんそうにん)をよく使います。

 

酸棗仁は文字どおり棗の種の部分です。よく薬膳に使う大きめのなつめより少し小ぶりなサネブトナツメの種を使い、硬い外側の殻を割って中の種子を生薬として使います。

 

この酸棗仁が多量に含まれているのが酸棗仁湯です。当店で扱っているイスクラさんの酸棗仁湯は特に多く、一日量で約24gの酸棗仁を含有するので酸棗仁の効果を期待できそうです。

 

酸棗仁湯は「虚煩不眠」の状態のお薬です。この虚煩というのは胸の中がザワザワする、悶々とする、不安感などがある状態といいます。落ち着かないようなザワザワしている時ってありますよね。酸棗仁湯は体の疲れやストレスで肝心血を消耗し、心身ともに疲れている状態の不眠に良いでしょう。

 

不眠のお薬と言っても、病院で処方される睡眠導入剤のような飲んですぐ眠たくなるような効果はありません。何日か飲んでいただいて次第にゆっくり効果が出るイメージです。そのため、夜だけでなく朝昼夜と3回しっかり飲むようにしてください。不眠だけではなく、ザワザワ感や不安感など、心が疲れている場合も飲んでみてください。

 

不眠の原因もたくさんあり、漢方薬も色々あります。酸棗仁湯は特に普段から「血虚」が目立つタイプに効果があります。血虚で疲れやすいですとか、顔色が悪いですとかそういうタイプですね。似ている処方に帰脾湯(心脾顆粒)がありますが、こちらは半分脾胃に配慮した処方になっていますので、脾気虚がある場合には良いでしょう。のぼせやほてり感がある陰虚がある場合は天王補心丹が良いですし、胃腸が弱く、気持ち悪い感じやむかつき、舌の苔が厚い痰湿の場合は、温胆湯が良いです。

 

まずはご相談いただき、原因に応じた漢方薬をご提案させていただくのが1番かと思います^^季節の変わり目のこの時期の不調を漢方を利用して乗り切ってくださいね。