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最近ドラッグストアで品切れしがちな漢方薬

カテゴリ:漢方薬

こんにちは、漢方なつめの福山です。

 

 

先日お客様と話していて、ドラッグストアで漢方薬の在庫がない時があるみたいですねと聞きました。どうやら在庫が不足しがちになるのが、風邪薬の漢方のようでして、コロナの症状で漢方を購入される方が多くなっているようです。そこで今回は、今ドラッグストアで品切れしがちな漢方薬の内容や効果的な使い方などについて書いてみたいと思います^^

 

 

①葛根湯(かっこんとう)

漢方の風邪薬で1番有名な葛根湯です。ゾクゾクっと寒気がある時に飲むと効果的です。風邪のひきはじめにゾクゾクを感じますので、どちらかというと風邪の初期に飲んでいただく漢方薬です。暖かいお湯で飲んで発汗を促してください。暖かいうどんなどを食べても良いですね。(私はこんな時は葛根湯を飲んでさらにカレーうどんを食べます。いい具合に汗が出て楽になります^^)

 

葛根湯の類似処方としては、「麻黄湯(まおうとう)」、「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう」などがあります。いずれも発汗させて風邪を追い出す薬です。麻黄湯は葛根湯よりもより寒気が強い時に使い、麻黄附子細辛湯は葛根湯に比べ体が弱い人(陽虚の体質)や、鼻水が出る時に使う時に使います。「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」という処方もありますが、こちらは鼻が塞がったような詰まった時に効果的です^^

 

 

②麦門冬湯(ばくもんどうとう)

咳が出る時の漢方薬です。咳の漢方薬はいくつかありますが、麦門冬湯は喉の粘膜が乾いたような時や、乾いた咳に使います。込み上げてくるような咳ですね。痰がいっぱい出る時には向きません。主薬である麦門冬は肺や粘膜を潤す作用がありますので、痰が切れにくいような時にも良いです。ただ、麦門冬湯だけだと咳止めとしては効果が弱いような気がするので、五虎湯や麻杏止咳顆粒などの咳止めと併用するとさらに効果的です。

 

麦門冬湯の類似処方としては「竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)」というのがあります。麦門冬湯に比べ、潤す作用と熱を冷ます効果が強いです。風邪が長く続いて乾燥した咳が続いているなんていう時に使う漢方薬ですね。使いやすい処方ですが、あまりメジャーでないので置いてある薬局は少ないかも知れません。

 

 

 

③桔梗湯(ききょうとう)

これは扁桃腺などの喉の炎症に効果がある漢方薬です。最近のコロナ症状として、特に喉の痛みを訴える方が多いので桔梗湯がよく使われているのではないかと思います。喉がヒリヒリしたような時でも良いです。処方の内容は「甘草」と「桔梗」のみとシンプルです。甘くて飲みやすいので、粉をぬるま湯に溶かしてうがいをするようにしながら飲むと良いでしょう。甘草が多く含まれていますので、高血圧の方は長期的に飲むのを控えたほうが良さそうです。

 

桔梗湯と似た薬に「桔梗石膏(ききょうせっこう)」というのがあります。これは「桔梗」と「石膏」の2つで構成された漢方です。「石膏」というのは炎症を抑える作用がありますので、喉が赤く腫れて炎症が強い場合や痛みが強い時には桔梗石膏が効果的です。

 

個人的なお薦めとしては「駆風解毒湯(くふうげどくとう)」です。これは桔梗、石膏、甘草に「連翹」などの生薬がプラスされています。「連翹」は炎症を抑え、解毒作用、抗菌作用がある生薬です。喉の痛みからくる風邪薬で有名な「銀翹散(ぎんぎょうさん)」にも含まれていますね。喉の痛みにはやっぱり連翹がよく効くような気がしますので、当店では駆風解毒湯や銀翹散をよくご提案させていただいております^^

 

 

以上3つの漢方薬をご説明させていただきました。風邪の症状はすぐ変わりますので、その時の症状に合わせた漢方を飲むと良いかと思います。手に入りやすい漢方薬を上手に用いて辛い症状を乗り切って下さいね^^