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台風や梅雨に備えて漢方を準備しておきましょう。

カテゴリ:漢方薬

こんにちは、漢方なつめの福山です。

 

 

台風や梅雨の時期に体調を崩す方がとても多いです。「気象病」とも言われていますが、天気が悪い日になると、頭痛やめまい、体が重だるい感じがする、浮腫む、気分が落ち込むなどの症状が出ます。

 

 

テレビなどで台風が来るのを知って、また体調が悪くなるのかも、、と憂鬱になる方も多いかと思います。こんな時に準備して持っておける漢方というのがありますので、今回はメジャーなものをいくつかご紹介したいと思います。

 

 

まず、一番出番が多いのが「五苓散」です。有名な漢方薬なのでご存知の方も多いかと思います。体に溜まった余計な水分を尿から出してくれる、利水作用のある漢方薬です。天候が悪い日に頭痛がある、浮腫む、尿があまり出ないといった場合に飲んでみると良いでしょう。頭痛が強い場合は「頂調顆粒」と併用してみてください。

 

 

雨の日におこる眩暈には「半夏白朮天麻湯」が良いです。「五苓散」も眩暈にもある程度は効果が期待できますが、ぐるぐるとした回転生の眩暈で症状が辛い場合には「半夏白朮天麻湯」がより良いです。どちらの漢方も水捌きをよくする漢方ですが、作用が微妙に違います。サラサラとした流動性のある水に対しては「五苓散」で尿を出し、ちょっと粘っこくて動きにくい性質の水(痰のような)に対しては「半夏白朮天麻湯」で痰を取るというイメージです。どちらも停滞している場合も多く見られますので、その際には一緒に使います。(水によるめまいの漢方は他にも数多くありますので、ご来店された方が良いかなと思います。舌や他の症状をみて漢方をご提案させていただきます。)

 

 

何だか食欲がない、気持ち悪い、胃が重い、お腹がゆるいなどの症状がある場合は「勝湿顆粒」が良いです。名前の通り湿気による胃腸不良によく効きます。雨が多い日は体内に湿気が停滞し、よどんだ状態になります。イメージとしては、部屋がしめじめとして蒸気が充満した感じです。この「じめっとした状態」に対しては、湿った部屋を乾燥させる除湿効果があるような生薬を使って、余分な湿気を取り除いていきます。この勝湿顆粒は「芳香化湿薬」と言い、香りの良い成分で湿気を取り、胃腸の動きを助けてくれるんですね。少しづつ蒸し暑くなってくる今の時期、ミョウガや大葉など香りのよくてさっぱりした薬味が食べたくなりますよね。そんな時に思い出して欲しい漢方薬です。

 

 

ちなみに雨など天気が悪く体調が悪い方は、水をたくさん飲むのを控えてください。今回ご説明した漢方は全て水さばき良くする漢方薬です。体内に処理しきれない水が停滞しているの状態で水を大量に飲むと症状が悪化しやすくなります。水が飲みたいのに我慢する必要はありませんが、何リットル飲もうとか無理をしながら飲むのはこの時期は控えた方が良いですね。冷たいものや果物もたくさん摂るのを控えると良いですね。

 

 

ちょうど昨日、一人暮らしをしている長女から「ママ、、しんどいんだけど、、」と蚊の鳴くような声で電話がかかってきました。頭が痛いし、お腹が気持ち悪いし、メンタルも最悪なんだけど、、絶対雨のせいだ。と言うのです。昨日は大雨でしたし、いつも天気の悪い日に体調を崩しやすくなるので、すぐに五苓散と勝湿顆粒、寒気もあると言うので念のため十神湯も飲んでもらいました。それに加えて、浴槽に熱い湯を溜めて足湯をしてもらいました。そうしているうちにじきに汗が出てきて、そのうちに次第に体調も回復してきたようでした。

 

 

主人はこの時期、サウナで汗をかくと行くと体が軽くなるようです。私も以前、中国武漢の病院研修に行った時も、雨続きのひどい湿気でしたが現地の食べ物は辛いものが多く、湿度が高い場所は、辛いものなどで発汗しながら健康を保つ工夫があるのかと感じました。その効果か、滞在中は体調を崩さず過ごせました^^雨の日、湿度が高い時は「水を溜めない・水を出す」ように工夫しながら養生すると良いですね。

 

 

今回は簡単に天気が悪い日の漢方をご紹介させていただきました。他にもたくさんご紹介しきれない漢方がたくさんありますので、自分に合った漢方はどれなのかが知りたい場合はご来店くださいませ^^