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動悸や脈の乱れといえば「炙甘草湯」

カテゴリ:日々のつぶやき

こんにちは、漢方なつめの福山です^^

 

先週、新しい漢方の取り扱いを始めました。当店は漢方専門薬店なので、数多くの漢方処方を取り扱っているのですが、取り扱いのない処方も多くあります。お客様で適応症の方がいたりなどしてどうしても使いたい時には導入を検討しています。

この「炙甘草湯(シャカンゾウトウ)」は動悸、不整脈、動悸に対して使う漢方薬です。心の気虚・血虚・陰虚に使い、弱々しく体力のない疲れやすい方向けの処方です。中国の脈を安定させる処方「復脈湯」をベースに作られた処方です。どちらかと言うと、冷えというよりも乾燥(陰虚)によるのぼせがあるような体質の方に向いている処方内容です。1包飲んですぐ効果が出るような漢方ではないので、普段から続けて継続されるのが良いです。

 

復脈湯をベースに作られた「三甲復脈湯」というのがあります。これは復脈湯に三甲(牡蠣・亀板膠・鼈甲)を加えた内容で、動悸を抑える作用に加えて「興奮した陽気を抑えて鎮める」効果があります。動悸が強い、のぼせが強い、気持ちが落ち着かないなどといった場合はこちらの処方が良いでしょう。

 

(かなり前ですが、私が動悸と頻脈で悩んで中医師の先生に相談したところ「亀の製剤を飲んだら良い。亀は脈が少ない生き物だから」と言われたことがあります。中医学らしい考えだと興味を持ちましたが、のちに亀板膠が実際に動悸や頻脈の製剤に用いられる事があると知り驚きました。)

 

更年期に見られるのぼせを伴った動悸、焦燥感などにも効果が期待できそうです。残念ながら日本にはない処方ですので、炙甘草湯をベースに亀板、鼈甲、牡蠣などを含んだ製品と合わせると良いかもしれませんね。

 

動悸が強いと不安にもなりますし、睡眠にも影響が起こりやすくなります。「心」がどのようにトラブルを起こしているのかよく観察して、良い漢方をご提案させて頂けたらと思っております。