ブログ

花粉症のレベルによって漢方を使い分けましょう

カテゴリ:日々のつぶやき

こんにちは、漢方なつめの福山です。

 

今日は久しぶりに天気も良く暖かい日ですが、こんな日は花粉症のご相談が続きます。1年に1回花粉症の漢方を買いにいらっしゃるお客様も多く問い合わせも多くあります。今回は花粉症について記事を書いていきます。

 

 

中医学では、皮膚や粘膜に細菌やウイルス、ハウスダストなどの異物を侵入させないように守る気の働きを「衛気(えき)」と言います。この「衛気」がしっかりしていると皮膚や粘膜細胞はきめ細かく整い、異物の侵入を防ぎます。この衛気が不足すると免疫力が低下したり、過剰に反応するためにアレルギー疾患や風邪などの感染病にかかりやすくなると考えられています。

 

衛気を増やす生薬に「黄耆(おうぎ)」があります。この黄耆は、粘膜や皮膚のバリア力(免疫力)を高める働きがあります。(中国では、黄耆が含まれた「玉屏風散」の薬理研究において、免疫調節作用、抗アレルギー作用、抗ウイルス作用、慢性腎炎の病理的修復作用などが報告されています。)

 

まずは根本治療として黄耆を含んだ漢方を続けて飲んでいくのが良いでしょう。

 

花粉症と言っても、ティッシュが手放せないくらい症状が重い方も入れば、今日なんとなく鼻水が出るかな?といった軽い方もいます。当店では症状によって漢方を適度使い分けています。

 

 

<症状が軽い場合>

 

黄耆を含んだ衛益顆粒を1日3回飲むのがおすすめです。私も軽い花粉症がありますので、この時期には欠かせません。強く鼻水を止める作用はないのですが、飲んだ日は少し楽に感じます。予防のためにも続けて飲まれると良いです。

 

<鼻水が多くでる場合>

 

衛益顆粒を1日3回服用して、それでも鼻水が出る場合は小青竜湯や麻黄附子細辛湯を頓服的に服用してもらいます。即効性があるので飲むと15分くらいで鼻が通るような感じがします。鼻水も早く止まります。眠くならないので、仕事や授業などがある日中にも飲めるのが便利なところです。

 

よく風邪だかアレルギーなんだかよくわからないけど鼻水が出るという相談がありますが、小青竜湯も麻黄附子細辛湯、どちらの場合にでも使えます。服用のポイントは「さらさらとした透明な鼻水」があるかどうかです。

 

<それでも鼻水が止まらない場合>

 

鼻水は、脾(胃腸)で発生した冷えた水(痰飲)が肺に溜まり、鼻水となって流れてくると考えられています。小青竜湯、麻黄附子細辛湯は肺のお薬なので、もしそれでも効果が弱い場合は、発生源である脾(胃腸)に溜まった水を捌くような漢方を合わせて用います。

 

脾のお薬はいろいろあるので症状をお伺いしてから漢方を決めるのですが、よく使うのは勝湿顆粒や人参湯、健胃顆粒、健脾散、二陳湯あたりでしょうか。ひどいアレルギーや鼻水がある方の舌は白い苔がべっとりとついている事が多いので、やはり水分代謝に問題があるのだと考えています。まずは胃腸を整え、余計な水が発生しないように調整します。

 

花粉症の時期は食養生も大切です。

 

まず、小麦を控えると花粉症がだいぶ楽になります。これはお客様もよくおっしゃいます。小麦粉に含まれる「グルテン」は腸内に炎症を引き起こしたり、腸内環境を悪化させたりするので、結果アレルギーなど様々な不調を引き越すと考えられています。さらに、乳製品や砂糖、冷たい果物の食べ過ぎなども控えると良いでしょう。

 

完全に止めるのは難しいと思いますが、朝ごはんを和食にする、おやつの菓子パンを一時的にやめてみる、お昼のパスタを定食に変えてみるなどから始めてみてください。これだけでもだいぶ違います。うっかり食べてしまっても翌日には元に戻せば良いのです。花粉症が辛い春の時期だけでもぜひ試してみてくださいね。