婦宝当帰膠と合わせて飲みたい血行促進の漢方薬
こんにちは、漢方なつめの福山です。
前回、冷えと貧血に「婦宝当帰膠」が良いですよというお話をしたのですが、今回はさらに血行を促進するために一緒に飲んだら良い相性の良い漢方をご紹介します。
まず婦宝当帰膠の主成分である当帰は、血行を穏やかに促進し、血を補いながら体を温める効果があります。婦宝当帰膠だけでも血行改善に役立つと言えますので、これだけでも続けて飲むと良いでしょう。さらもう少し血の巡りを改善したいとなると「活血薬」と呼ばれる漢方を合わせて飲むのが良いです。
おすすめのひとつ目は「桂枝茯苓丸」です。とても有名な漢方処方ですのでご存知の方も多いかと思います。瘀血を取る漢方の中でも婦人科系の瘀血によく使われます。生理痛があったり、生理不順があったり、生理の血に塊が混じるなどの症状がある時です。停滞している瘀血やしこりなどにも良いので子宮筋腫にもよく使われますね。
「桂枝茯苓丸」ということでもともと「丸剤」で作られた処方ですので、当店でも効果を期待して「丸剤」の桂枝茯苓丸を主に使います(飲めない人のために粉タイプもあります)。袋を開けると桂枝(シナモン)の香りが広がり、よく効きそうだなと感じます。1回につき30丸を服用するので、それをお伝えすると「えーそんなに多いんですか!?」と言われますが、粒が小さいので案外大丈夫です^^飲めない方は粉にしたり量を減らして飲んでいただきます。
おすすめの二つ目は「爽月宝(そうげつほう)」です。
これもシナモンの良い香りです。シナモンと言っても桂枝茯苓丸の「桂枝:ケイシ」と違い「桂皮:ケイヒ(肉桂)」を使っています。このふたつほとんど同じように使いますが、微妙な違いがあります。
桂枝:シナモンの細い枝やその皮。温める効果があり主に寒さを散らします。
桂皮:シナモンの幹部分の皮。強く温める効果があり主に体の裏(内側)を温めます。
簡単に言うと少し桂皮の方が温める効果が強いと言えます。さらに爽月宝に含まれる「山棱」と「莪朮」は活血薬より効果の強い「破血薬(はけつやく)」に分類されます。破血とは、血を破るとかいて、凝集して固まった血液を破り溶かす作用を表現しています。効果が強く子宮筋腫、子宮内膜症などにもよく用いられる生薬です。
そのため爽月宝は、より強い瘀血や冷えがある場合に使います。生理痛がつらくて痛み止めを飲まないと過ごせないですとか、手足の血流が悪く冷えやすいなどといった時に婦宝当帰膠と一緒に飲むと良いでしょう。
最後のおすすめは「冠元顆粒」です。これは生薬「丹参(たんじん)」が主役となっている漢方薬です。丹参は全身の毛細血管の血流を促す効果があります。
桂枝茯苓丸や爽月宝が婦人科の瘀血や子宮筋腫などのしこり・かたまりに使うのに対して「冠元顆粒」は全身の瘀血に使います。肩が凝って痛いですとか、頭痛があるなんて言う場合には冠元顆粒が向いています。婦宝当帰膠で血を補って、冠元顆粒で血流を促すというとても相性の良い組み合わせです。体質やその時の状況により婦人科のご相談で冠元顆粒をご提案することもありますし、まだまだ他にも瘀血の漢方は山ほどあります。ぜひ組み合わせに悩んだ時はご相談ください。